データサイエンティスト・データアナリスト取扱い説明書

データサイエンティスト・データアナリストは使いづらい?

博士とか専門家は何かと使いづらいとはよく言われるが、果たして本当だろうか。もちろん専門家の側に問題が無いとは言わない。しかし、その責任の多くは権力を持っている経営者側が、自分の能力不足や、数学・統計学に対するコンプレックスを誤魔化すための言い訳にしていたりしないだろうか。さらにそのコンプレックスに付け込んで、あなたは悪くないという甘い言葉に騙されていないだろうか。

使いづらいのは、使い方を知らないからである。そこで、データサイエンティスト・データアナリストといった分析の専門家をうまく扱うにはどうしたらいいかを解説したい。

難しい問題を与える

データサイエンティスト・データアナリストは簡単な問題をこなして給料がもらえれば良い、などとは考えない。ルーチンや日常業務など退屈な仕事ばかりを与えるとやる気を失う。より難しい問題が与えられてこそ力を発揮するのだ。夢中になれば残業もいとわないし、勉強熱心な人が多いのでプライベートの時間を使ってでも勉強に費やすだろう。ただしあくまでも本人がやりたいからやっているのであって、それに甘えて当然支払うべき報酬を支払わないなど論外である。

成果に見合った報酬を出す

当たり前のことだが成果を出したらそれに見合った報酬を出す。安い報酬で結果が出るということは会社の儲けになるように思えるかもしれないが、それは勘違いだ。そんなことをすればすぐに逃げられる上に、悪評が広まれば挽回する機会は訪れない。優秀であればあるほど、報酬を出さない企業に残る理由はない。

報酬よりやりがいを与えればよい、というのはとんでもない勘違いである。たしかにそれでも良いと思う人はいるがそれは他人が要求するべきものではない。

同等以上の知識を持った人を用意する

他人と関わらず1人で黙々と作業をしているように見えるかもしれないがそんなことはない。ランチや夕食の話、家族の話、クライアントの陰口などどうでもいい会話は無駄とは言わずとも、そこそこに止めておきたいと思っているだけであり、それをコミュニケーション能力不足と考えるのはあまりに早計である。同等以上の知識を持った上司や同僚と専門的な会話をしている姿を見れば、コミュニケーション能力ではなく会話の内容が問題であることがすぐ分かるだろう。したがって、専門家を1人だけ雇うと浮いた存在になる危険があるため、できれば複数人いた方がよい。仲間がいれば定着にもつながる。

無意味な時間の制約をはずす

勤務時間がここからここまで、昼休みは12時から1時間、などと決められたスケジュールを強要するのは知的生産活動に致命的なダメージである。まったくの自由にすることは集団の中で働く以上は妥協しなければならない点があるのはやむを得ないにしても、自主性を与えずに管理しようとしてはいけない。制約がないからいくらでも働かせることができるなどと考えるのは話にならないので議論しない。

勉強会や交流を積極的に支援する

自主的な勉強会があちこちで開催されているので、会場を提供するなど積極的に支援しよう。勉強会に参加するということはそれだけでスキルアップに時間をかけるということなので、社員にはできるだけ出席を促すとよい。また、副産物として

  • 専門家コミュニティー内での企業の知名度アップ
  • 開催者個人の知名度アップにより営業力の強化
  • 社外の人との人脈の形成による採用の可能性が向上

などが期待できる。ただしあくまでも副産物。下ごごろ丸出しであらかさまにやってもすぐばれる。

視野狭窄になるときがあるので広げてあげる

専門家は専門知識だけに囚われやすい。時には細部にこだわり過ぎて全体が見通せなくなってしまうので、適度に視野を広げてあげるようにすると良い。ただし特性や好みはあるので無理強いはしないこと。視野が狭くとも専門知識を深める方が良いのであれば、それをどう活かすか考えればよい。

結局のところ人材が使えるかどうかは経営者次第

10年前ならいざしらず、ここ最近データサイエンティスト・データアナリストの求人は大きく増えた。実態が伴っていない場合も当然あるにしても、以前より遥かに多くの企業と比較されていることは知っておいた方がよい。

今回のは自分の見聞きした経験を踏まえてまとめた。というか、自分がこうしてほしいという話である。結局のところ人材が使えるかどうかは使う人次第なので、くせのある人をどううまく使いこなすかは経営者・マネージャーの重要な仕事ではないだろうか。と同時に、自分からもきちんと説明をしてお互い納得できる環境を作り上げる努力を忘れてはいけないとも思うのだ。