目や耳に飛び込んできた情報・データに反応する前に注意したいこと・・・情報・データを選別する(2)
情報・データに脊髄反射する前にちょっと一息
情報・データを入手したとき、気に入ればとにかく喜び、気に食わない人の話であれば真偽を確かめもせずに腹を立てて拡散しようとしたりしてしまう。が、その話は本当なのか、誰かが意図的に広めたのではないのかとちょっと立ち止まって考えてみると違う話が見えたりする。そうならないよう、いつも考えていることを書いてみる。
なお、その上でバイアスを乗り越えて正しく認知できるかというとまた別の話で「受け取った情報・データの正確性」に焦点を当てている。
目や耳に飛び込んできた情報・データに反応する前に注意したいこと
自分の知識が不足していないか
誰かが発信した情報・データの正確性を読み取るにはまずはその内容を理解できるだけの知識が自分にないといけない。まずはきちんと内容が把握できるかが問題だ。
まったくの門外漢であれば言っていることがさっぱりわからないので「自分が理解できていないことを理解できる」が、ある程度以上知識があると理解できているつもりになってしまう。
発信者の知識不足はないか
発信者が知識不足を自覚していないと、間違えていても当人は気が付かなかったり、バズワードに知ったかぶり満載で発言することになる。明日は我が身かもしれない。
発信者の意図的な誘導ではないか
広告だったらわかりやすいが、誘導することを意図した情報・データとなっていないか。すぐにわからないことが多いので知らぬ間に誘導されているかもしれない。
発信者の立場はどうか
いわゆるポジショントーク。所属する企業や組織に有利なことを言うのは当然なので、何を言っていないかにも注目したい。
発信者の趣味嗜好はどうか
当然発言にはその人の好き嫌いが影響する。
発信者のイデオロギーはどうか
情報のフィルタリングがひどいと明らかにデマでも拡散したりする。
発信者当人か
「Aがこう言っていた」というBの発言はBの受け取り方次第でバイアスがかかる。なのでできるだけ一次ソースを確認する。それが無理であるならば一次ソースでないことを明確にしておく。BがAを嫌いだと知っている人にはすぐ見破られるのでCという第三者を経由させることもある。
情報・データの出所はどこか
出所不明な情報は様々な人を介するうちに全く違う内容になっているかもしれない。
当人の関係性はどうか
誰かを肯定ないし否定している場合はその関係性を見る。関係が近すぎたり仲が悪い(一方的な場合も含む)とバイアスがひどくなる。
発信者の経験談か、一般論としての発信か
その人が経験しただけの話を一般化しているだけなのか、一般論とするだけの洞察を経た発言なのかの区別した上で発言を読む。
過度に一般化されていないか
分析・洞察を経てもその一般化が一部の話を全体に引き伸ばしている話かもしれない。特に悪い話のときに日本(人)や男性はターゲットになりやすい。
発信者が参考にしている情報・データは正確なのか
いくら中立的であろうとしても元がダメならその結果はダメである。特にその結果が自分の納得できるものである場合見落としがちになる。
一方的で偏っていないか
自社に都合の良い情報・データだけを発信したり、自分の意見に賛成な人だけを取り上げているなど嘘ではないが偏っているために判断を狂わせる。
出羽守
「一方的で偏っている」の1パターン。あるいは自らを外国の側に置くことで優越感を得たいだけ。具体的かつ現実を見据えた提案が無ければ大体参考にならない。
発信者の過去の発言はどうか
特に自覚して嘘を言う(プロパガンダを行う)人や無自覚でもでたらめな情報を流す人の直接の発言は無視してもかまわないが、その人の発言が別の人を介して入ってくることもあるのでどういう人なのかは知っておいたほうが良い。
簡略化されすぎていないか
伝えやすさを優先するあまりに重要な項目が抜け落ちているのではないか。
勝利宣言あるいは欠席裁判になっていないか
相手が見ていないのをいいことに自分が勝ったことにしたり、相手を叩いていないか。両者の話を聞く必要がある。
発信者の伝達がうまくいっていないのでは
正しい情報・データを持っているのに引っ込み思案とかパワポが汚いとかで損をしているケース。こちらから引き出してあげられれば得になる。
比較対象はふさわしいか
前提が違う時期が違うデモグラが違うなどなど、それとこれ比較したらおかしいでしょ?とぱっと見ればわかるものからよくみないとわからないものまであるので何かを比較していたら必ず疑う。
グラフにおかしなところはないか
これだけで本がたくさん出ているぐらいに問題になりやすい。いずれグラフをテーマに記事を書く。
自分もできているとは言わないが注意はしている
ざっくり書いたけれどもたくさん出てきた。意識して探せばもっとあるはず。日常接している情報・データにこれだけ怪しい理由が見つかるのだから、いくら注意してもしたりない。
とはいえいちいちこれらを考えている時間もなく、さりとて何も考えないで誰かの思うように動かされるのも嫌であり悩ましい。情報・データの問題点を指摘したり、異論反論を自動で探索できるような仕組みを作ってみたいのだが、果たしてどうアプローチしたらいいものかさっぱりわからないので手付かずのままになっている。