機械学習の自動化ツールとチャーハンの自動製造機は今のところ同じようなもの

2018年9月12日

決まったことをたくさん試すのはもともとコンピュータの得意分野

よくよく考えてみれば、用意されたデータを使い、すでに決まったアルゴリズムにしたがって、様々なパターンを試して最も良い結果を返すという作業はそれこそコンピュータの得意分野だ。とすれば、指定された1つの方法を処理するだけではなく自動でたくさんの処理を行うツールが出てくるのは必然だし、今後も様々なツールが登場しては消えていくことだろう。

では、ツールが発達したら人間の出る幕はなくなるという話は本当だろうか。遠い将来何が起きるかなど解らないが、少なくとも当面の間は人間の介在する余地は残る。

チャーハンの大量生産と機械学習ツール

材料の調達も下ごしらえもしてくれない。レシピを考えてくれるわけでもない。しかし、それらを人間が準備すればとてつもない力を発揮する・・・機械学習の自動化ツールは、さしあたりチャーハン製造機に比べられるだろう。

今まで手作りしか知らないで初めて自動チャーハン製造機を見た人にはそれは画期的なことだったろう。材料さえ用意すれば微妙な火加減の調整などはできないから一流のシェフが作るチャーハンには届かなくてもそこそこのチャーハンが大量に自動できる。だから高級料理店では使えなくとも大量に作るチェーン店やなどでは威力を発揮する。

自動化できることできないこと

では、そこそこの結果が自動でかえってくるのであればすぐに人間が不要になるかといえばそんなことはないだろう。データ分析はプロセスであり、分析だけでは完結しないのであるから、それ以外のフェーズではやはり人間がまだまだ必要である。そこですでに自動化できること、多分いつまでも自動化できないこと、いつか自動化できるかもしれないけどすぐには無理そうなことに分けてみると以下のようになるだろうか。

すでに自動化できること

  • 与えられたデータを元に様々なアルゴリズムを様々なパターンで試す
  • 組み込まれたルールに従い、結果を実行する

多分いつまでも自動化できないこと

  • 分析の目的を決める(人間の全ての思考はデータ化できないだろう)
  • 結果から洞察を行う(目的の決定と同様。ただしある程度の精度なら実現もありうるか?)
  • 結果を実行に結びつけるために人を動かす(最後まで残るとしたらこれだ)

いつか自動化できるかもしれないけどすぐには無理そうなこと

  • どのようなデータを追加すればさらに精度がが上がるか判断し、インターネットから取得してくる
  • 新しいアルゴリズムの開発

道具に振り回されてはいけない

とはいえ所詮は道具である。妄信も拒絶も危険であり、一番いい使い方をすればいい。またチャーハンの話にもどるが、チャーハンを作る機械にラーメンは作れないから使えないというのはおかしいが、そこそこのチャーハンをたくさんの人に売りたいなら活用すべきであろう。また、便利だからとツールでできることだけをやろうとすることもまた道具に振り回されているのと変わらない。いつどのようなシステム・ツールが必要であるかを見極めて選択し、それを使いこなすのが人間のやるべき最も大切な仕事なのかもしれない。