レポート・報告書を読む際に気を付けたい7つのポイント

その報告書は役に立っているのか

世の中ではマーケティングリサーチ、効果測定、いろいろな分析など毎日大量の報告書が作成されているが、本当に役に立つ報告書に出会うのは残念ながらまれである。なぜこのようなことになるかと言えば、結局のところはクライアント側の求める質が低いため、それに見合った報告書が作成されているというのが現状だ。

金と時間を無駄にしないためにも質の低い報告書を見破る能力を身に着けることはとても有益だと考える。というわけで、今回は伝達を受ける側が気を付けたいことをまとめた。報告書を作成する側の人にとってもどのような報告書がよいのかの参考になると思う。

1.結論が最初に書かれているか

最初に結論が書かれていなければ、その報告書の価値は大幅に下がる。いや、ほとんど無意味であると言っても良いぐらいだ。延々とグラフと見ればわかる事実が羅列され、結局何が言いたいのかさっぱりわからない報告書がいかに多いことか。その報告書には毎月数十万円支払った上に、何も生み出さない報告会のせいでさらに時間も無駄にする。必要なのは、結論・事実と考察・必要ならば詳細なデータの順番であり、対策としてはとにかく最初に結論を書くように事前に伝えておき、守られていなければ却下する。

キャンペーンの結果が思わしくない、というように報告する側に都合の悪い結果を提示する場合、うやむやにするために本文中に結論を混ぜ込んだり、都合のよい解釈をさせるために事実と結論を離れた場所に置いたりという小細工をする場合がある。もし最初に結論が無ければ、何か良くないことを隠そうとしているのではないかと疑ってみよう。

2.量ではなく、必要な情報に注目する

目的が明確になっていない場合特に注意しなければいけないことだが、データを並べてとにかく情報量を増やすことで、レポートの価値を持たせようとすることがあり、クライアント側のリテラシーが低いとそれで納得してしまう。よくあるのは、様々な軸(性別・年齢・居住地など、あるいはそれらの組み合わせ)で切り取った集計表とグラフがいくつも続くパターンで、なんとなく何かが解った気にさせられる事が多いのだが、次の行動に繋がらないのでやはり無意味である。本当に必要な情報にのみ集中すること。当然ながらそのためには目的が明確になっていなければならない。

3.局所的ではなく、全体的か

全体的に見たらどうみても失敗なキャンペーンであっても、局所的に見れば少しぐらいは良いところが見つかるもの。そこで、キャンペーンが失敗したと報告する変わりに、話を細分化し、良い部分だけにクローズアップすることで、失敗をごまかそうとする場合ある。大局的な話をしない、あるいは簡単に触れるだけで詳細な話をし始めたら注意を逸らそうとしている可能性がある。どんなに結果が良いセグメントでも、今後のためのおもしろそうなアイデアであっても、1%程度のインパクトしかなければそれより先に見るべきところがあるだろう。

4.利害関係者の報告に注意する

外部のコンサルタントや営業、内部でも企画者本人など、利害が絡んでいる人の報告にはどうしても自分の都合の良い情報を届けようとする意識が働くのは避けられない。報告を受ける側は、バイアスがかかっていることを前提として受け取った方が良い。もちろんバイアスのかからない報告を提出するように伝え、自分に都合の悪い情報であっても正しく開示するのが望ましいのだが、実現させるのはそんな簡単な話ではない。

5.事実と願望を区別されているか

これもよくあるが、「○○である」という事実と、「○○と思われる」という願望がごちゃ混ぜになっており、一見だけでは区別がつかないことがある。これは報告書を作る側が意図的に行っている場合も、そうでなく単に文章作成能力が低いだけの場合もあるがどちらにしても曖昧な場合はそのままにせずに確認すること。

6.態度ではなく、内容に注目する

これは報告書ではなく報告会の話だが関連するので書いておく。堂々と自信たっぷりにプレゼンする人には要注意。本当に内容に自信がある結果であることよりも、説得力を持たせるための演技、虚勢、あるいは実は内容はたいしたことがないのになぜか自信満々、といったことが実に多い。特に最後の場合は本人も自覚がないので見分けがつけづらい。態度にごまかされることなくあくまでも内容を吟味することが必要である。

7.事前に提出させる

これも報告会だが、その場で初めて提示される報告書の説明を受けるより、2・3日前には提出させて事前に目を通し、疑問点をまとめておく方が良い。後で聞けばよいと思うかもしれないが、事前に見ておく方が圧倒的に効率が良い。間違いを修正する時間もとれるし、その場で聞いてその場で判断するのは危険極まりない。可能な限り自分で行うのが望ましいが、時間が無ければ分析力のある部下に行わせる。

報告を受ける側に大部分の責任がある

最初にも書いたように、ごまかしやインチキとも言える報告で満足するクライアントが多ければ、報告する側に是正するモチベーションは働かない。同じ価格ならば原価の安い牛丼で満足する客にわざわ高級ステーキを用意することは無い。今の報告書の質に満足できないとしたら、それは求める側の責任でもある。

また、いくら報告書が整っていても実は内容そのものが間違えているかもしれないし、正しくてもそれをきちんと受け入れられるかはまた別の大きな問題として残っているので、報告で終わりでないことも注意が必要だ。