要求B・分析者側が「そのためには何を知るべきか」を考える

要求B・「そのためには何を知るべきか」を考える

要求A・意思決定者が分析者に「知りたいことは何か」を伝えるでは意思決定者から分析者へ「知りたいことは何か」を伝えることについて書いた。それを受けて、分析者側が「そのためには何を知るべきか」を考える。

「そのためには何を知るべきか」を考えるだけでは足りない

意思決定者から「知りたいことは何か」を受け取ったら、分析者は「そのために何を知るべきか」を考えることになる。と同時にそれを現実的に知るための条件についても併せて考えることも必要だ。例えば、

  • 必要な情報・データは何か
  • その情報・データをどうやって集めるか(誰から、どこから、どうやって・・・)
  • 情報・データの収集にかかるコスト(金、時間、スキル・・・)
  • 他案件との調整(優先順位、担当者・・・)

といったことから「総合的」に「納期までにできることできないこと」「要求通りの情報が必要ならばいつまでかかるのか」を見極めて「最適解」を導き出さなければならない。

ところが、選択肢は無限である。情報を集めることだけ考えても、今手元にある情報・データは当然のこと、世の中に存在する情報・データだけでなく、今は存在せずともこれから作り出すことができるあらゆる情報・データも収集の範疇である。

収集できたとしても活用するにはまずその情報・データが正しいのか選別することになるが、1つの情報・データが正しいかを調べるだけでも簡単ではない。

これにさらに納期やコスト、自分と相手のスキルに時間の制約と様々な要因が重なり合う中でどれかを選び出したとしても、それが最適である証明もできるわけがない。本当の最適解などわからない。

しかし、根拠もないのに最適であるという強弁は許されるべきではないとはいえ、できる限りやった」では納得してくれないところに強烈なジレンマが発生することになるが、最後は「感と経験と度胸」である。

最優先すべきは納期

いくら詳細な分析でも、意志決定者が必要な時期に間に合わなければ行う意味はない。したがって、まず確認すべきは納期であり、続いてその中で何ができるかの検討に入ることになる。

あるいは、要求された内容を満たすために納期の変更を提案することもある。場合によっては時間より内容の充実の方が求められている場合もあるからだ。

意思決定者の一方的な命令、分析者の勝手な決めつけ、それ以前に仲が悪いなど、このコミュニケーションが円滑に行われないような関係だとプロセスがうまく回せない。分析の質を上げるのは、お互いを尊重しながらのやり取りだ。

意思決定者の目的を知るべきか

もう1つ、要求フェーズにおいて分析者が意思決定者の目的を知るべきかだが、目的を聞かずに要求に基づいて「何を知るべきか」を返せば中立性を失わない。しかし、意思決定者が「知りたいことは何か」を考える際に意思決定者の知らないことは要求に出てこない。

目的を知っていればより専門的な知見により別の内容を提案できる可能性はあるが、その際問題になるのはやはり中立性であるし、またその目的自体が正しくない、あるいは自分の考えと相いれないと分析にも影響をきたすだろう。

この件はどちらが原則としてあるべきなのかまだ答えは出ていないのでそういった議論も必要だ、という紹介に留めておく。いずれ考えがまとまったら改めて書くことにしたい。