アナリストとして生き残るためにどのようなスキルが有効か

アナリストとして生き残るためにどのようなスキルが有効か

アナリストとしてのキャリアを考えると企業に所属するべきかで「アナリストとして生き残る」の意味は「アナリスト業務を主業務とする」「アナリストとしてキャリアを積める」の2つであると書いた。

続いて、どのようなスキルがあると有効かについて考えてみたい。

中途半端なスキルでは生き残れない

データ分析に限らないが、幅は広く知っていても個別のテーマで見れば専門家の足元にも及ばない、というのではアナリストとしての生き残りは厳しい。

名乗ればだれでもなれるので参入障壁が非常に低く、何かしらのアドバンテージでもなければ後から参入した人に簡単に追いつかれてしまう。

極端な例だと、アナリストと言いながら簡単な集計とコメントを書いた報告書を作成しているだけのレベルの人は、1年もたたずに能力のある新卒に追い抜かれるだろう。営業力や経験である程度カバーすることは可能であろうが、長期的に考えると無策でいるわけにはいかない。

なので何かしら特徴を出していく必要があるわけだが、その何かしらにはどういったのがあるか。

特定の業界や対象に特化する

そこで、専門性のあるアナリストとして特定の業界や対象に特化する方法が考えられる。例えばWebアナリストあたりがまさにそれだし、マーケティング分析と一言でいってもIDPOS分析と商圏分析では大分話が違う。

特化した分野での経験と詳細な知識とであれば参入障壁になりえるし、情報発信してその分野での第一人者として名声を得られれば、執筆やセミナーといった別の方法での稼ぎ口も出てくる。とはいえ他分野の知識が全くないのも視野が狭くなるので、特定分野に特化した企業や部署にいるような場合は特に注意して自分の幅を広げておいた方が好い。

あるいは特定の業種・業界に特化したアナリストという方法もある。例えば証券アナリストが該当するだろう。また、特定の国に関する市場調査・リサーチを専門するという方法もある。

高度な技術力を身に着ける

高度な技術で思いつくのはまず「機械学習」「自然言語処理」だがこの辺りはアナリストというよりはエンジニアだし、「統計モデリング」による意思決定支援をする(アナリストとしての)データサイエンティストはアナリスト以上に需要がない。

研究職やシンクタンクだったらいくらか需要があるだろうが、実務とは離れているケースが多いのではないか。

アナリストがより広く多く広まればいずれ必要にはなるだろうが、まだ早い。

多分野を横ぐしでそこそこに

特定分野に特化しないまでも、いくつかの領域にまたがってそこそこにできるレベルを持つというのはどうか。

Webアナリストに加えてSEOやリスティングの分析と運用ができるとか、マーケティングリサーチャーでしかもデータサイエンスに詳しくてコードそもそこそこに書けるとかであれば活動の幅は大きく広がる。

難点があるとすれば、一緒に仕事をしていない人(他部署、上司の上司)などから見ると何をしているかわからない、いなくなっても困らないと見える危険があるため、存在をアピールしておかないと埋もれる。

データ分析プロセスマネジメントとしての可能性は

データアナリストからデータ分析プロセスマネジメントを目指す方向はどうか。おそらくデータサイエンティストよりもデータアナリストの方がマネジメント向きな人は多いだろう。

1つのスキルとして持っておくのは業務に非常に良い影響を与えるのは間違いない。

が、繰り返し述べているようにそもそもデータ分析の需要が少なくマネジメントが必要なほど人数を揃えている企業は少ないため、需要はほとんど無いと言っても良い。

また、その企業でうまく行っても現場のアナリストと違って価値をアピールしづらいため、今後のキャリアにはかなり不安が残る。重要なポジションではあるが、個人がキャリアとして目指すにはリスクが高い。

分析以外の領域

分析だけでも相当に広いのだが、視野をもっと広げると分析以外の周辺領域の知識やスキルもコミュニケーションに非常に有用だ。

分析+エンジニアリングであれば前処理やインフラについてエンジニアチームとの意思疎通がスムーズになり、要望を伝えやすい。

分析+マーケティングであればコンサルや営業と一緒に仕事をする際に彼らが何を求めているか、どういった立場でクライアントと向き合っているかなど理解しやすくなる。

いわゆるフロントとバックのつなぎ役で、業務のレベル向上には非常に寄与するのだがマネージャーに理解がないとただの便利屋になってしまうため使いどころには注意したい。

グロースハッカーは現実解になりえるか

マネジメントとして活動が難しいのであれば、グロースハッカーはどうだろう。つまり、データ分析プロセスで分析者に加えて「実行」まで行ってしまう。

これならば1人でも動けるし、データ分析が使われないということも無くなり実績が出しやすい。始めるにあたり上層部の後ろ盾がないと厳しいが、挑戦してみる価値はある。

ここまでくると「目的の決定」まで結局やることになってしまう可能性も大きい。そうなると「アナリスト」というよりは「グロースハッカー」であるが、現実的にはこちらの方がやりやすい。

ただし、グロースハッカーとして実績を積みつつ、チームが拡大したらアナリストにシフトしていくという方法はスキルも違えば時間もかかるためお勧めはしない。

結論:どれが良いかは人それぞれ

というわけでアナリストのスキルについてつらつらと書いてみたが、正直どれをどれだけが良いのか、という話に対しては「人それぞれ」としか言いようがないため一律では書けない。

様々な事情を知らずにブログで多数の人向けに書くとこういった選択肢があるかも、ぐらいしか提示できないので、結論としてはこうなってしまう。

最後に自分の話をちょっとだけしておこう。

そこそこ広くそこそこ深く、分析以外の領域もちょっと知っていてプロセスを理解している

これが自分の立ち位置になりつつあるのだが、実務能力という意味ではこのスキルセットは強力だと思っている。弱点は外へのアピール力の弱さ。

もう1つの弱点は専門知識を持っている人から見れば実に中途半端な状態だ。自分でもそう思うからこれはしょうがないか。

この先もより広く深く知識を深めることで洞察力をよりつけていく、という方針に変わりはない。けれども先の話なんてわからないので、どうなっても良い様に準備だけはしておく。