今データ分析に求められているのは「データ分析と他部署とのつなぎ役」だが、良い名前が思いつかない → 「アナリティクスディレクター」にしよう

2018年11月30日

データ分析は部署を横断しないとうまくいかない

データ分析の実務に関わっている人ならわかると思うが、「データ分析」というのは実に部署横断的な仕事だ。経営者から営業まで依頼はどこからでもやってくるし、データや環境のためにエンジニアとも関わる。データ分析を行うのもデータサイエンティストや機械学習エンジニアのような専門家から、グロースハッカーやカスタマーサクセスといった「データ分析をするマーケター」まで幅広い。

さらには外部のクライアントから直接や営業を通しての間接的な依頼をうまくコントロールしないと大変なことになるし、外注する場合の適切なマネジメントも必要だ。

まだある。データ分析はコミュニケーションと同じでそれだけではあまり役に立たないが、無いと話にならない(参考:「データ分析」とは人生における体力である)。なので分析者に限らず社内にデータ分析の文化を作っていくことにも責任を持てとは言わないが参加するべきだ。

ところが実際にはデータ分析の仲間内で閉じこもり、さらにその内側では細分化されてコミュニケーションをとらないどころかお互いを無視していればまだいい方で、ひどいと足を引っ張り合っているのではできることもできなくなる。

つなぎ役とは

そこで「つなぎ役」が必要になる。実は似たような話でデータ分析組織に必要なのはデータサイエンティストではなくデータ分析プロセスをマネジメントする人では「つなぎ役」ではないが「コミュニケーション能力」のところに

経営者から現場の営業やマーケター、あるいは外部のクライアントといった分析の依頼者に対してと、データサイエンティストなど専門家に対しての2つの違うコミュニケーションが共にできるか、少なくとも抵抗がないこと。前者が欠けると組織として機能できないし、後者が欠けると組織が制御できない。

と書いたがこれがまさに「つなぎ役」が必要な理由だ。そしてこの「つなぎ役」は最初はもちろん企業の規模が大きければ大きいほど必要になってくる。

なお、「データ分析プロセスをマネジメントする人」の1スキルなのか別の人のことなのかは話がややこしくなるので今回は考えない。今回は「つなぎ役」に焦点を当てる。

つなぎ役がいないと起きること

もしこのつなぎ役が不在で個々人が勝手に動くと何が起きるか。過去に見て来た事例だと

  • 対他部署:営業ともめる、エンジニアともめる、それ以外には相手にされなくなる
  • 対部署内:作業が細分化しすぎてノウハウが共有されない、個人への依存が進む
  • 対クライアント:納期や価格がめちゃくちゃな依頼を断れない
  • 対外注:適切な依頼が出せずにコストばかりがかかる

といったことがひどいと全部起きる。これらを未然に防ぐためには誰かが「つなぎ役」をやらないといけない。

つなぎ役がいない理由

まず前提として、データ分析そのものがほとんど行われてこなかったのでつなぎ役の不在が問題にすらならなかった。問題にならないのだから考える人はもちろんやってみる人もあまりいない。だから現在の状況は「できる人がほとんどいない」。

もちろん、採用も育成もしているわけもなくたまたまその役割に任命されたからやらざるを得なかった、という人もいない。小企業ではデータ分析をする人=データ分析プロセスをマネジメントする人になるので、その流れで「つなぎ役」の価値にたまたま気づいた、という人が多いのではないか。

「つなぎ役」に向いていそうなのはどんな人か

これはデータ分析の実務経験者から育てるの一択だろう。マーケティングやマネジメントからだとコミュニケーションは大丈夫でもデータ分析全般についてある程度以上の知見を実務なしで獲得する、というのが良い選択だとは思えない。

デ-タ分析の経験者の中でもあまり対人関係が得意ではない人にはやはり向いていない。なのでアナリストでなくてもマーケターやコンサルタントの方がいいのかもしれない。まだ数が少ないのでこれはまだ観察が必要。

「つなぎ役」の存在感を

「つなぎ役」が必要であることを広めるためにはいくつか考えないといけない。

どんな名前にするのがよいか

名前というのは重要で、時に実態が伴わないのにふりをするのに使われることもあるが、名前が無いと何をしているのかが伝えづらい。

「つなぎ役」「橋渡し役」だけだと何と何をつないでいるのかがよくわからない。「データ分析と他部署とのつなぎ役」はちょっと長い。

Webでよくある英語3文字ワードだとすぐ忘れられそうだし、何かいい案ないものか。

どうやって存在をアピールするか

この「つなぎ役」だが、いかんせん目立たない。他部署はもちろん直接かかわらないとその部署のマネジメントからですら存在がわかりづらい。だから募集もされないし自分の説明能力の低さを棚に上げて言うが、必要だと説明してもどうも響かない。

なので存在と重要性をアピールしていかなければならないが、データ分析の実務を行ったことが無い人にこの役割をどう説明したらいいのかはいまだ手探り中だ。

というわけで考えないといけないのはわかっているが全く解決の気配が見えない、というのが正直なところだ。

今すぐ「つなぎ役」を探そう&育てよう

身近にあれば重要だとわかるけれども、知らない人にとっては無価値であるのは「つなぎ役」も「プログラミング」も「スマホ」も同じなのかもしれない。

企業は今すぐ「つなぎ役」を探すか、社内で育てることが必要だというのは今後も言い続けていく。

追記:「アナリティクスディレクター」という名前にしよう

「つなぎ役」というのはそれ単体ではなく、「データ分析プロセスのマネジメントを行い、その円滑な運用のために様々な部署や人とのつなぎ役となる」役割が重要ということであり、この役割を「アナリティクスディレクター」と名付けようと思う。その役割についてまとめた記事を書いたのでこちらも参考にしてほしい。

「アナリティクスディレクター」とは「データ分析プロセスのマネジメントを行い、様々な部署や人とのつなぎ役となる役割」である