データサイエンティスト・データアナリストの求人情報を読む際に注意すること

職種ではなく「何が求められているのか」をきちんと読もう

データ分析関連の求人が増えたのは良いことであるのだが、同じ職種名でもその内容は企業によって千差万別で、データアナリストで探してみると実はコンサルタントだったりデータエンジニアだったりする。

定義がはっきりしない言葉をそれぞれの解釈で使っており、さらに企業側は分析についての知識や経験がない人がメディアに書いてあることをそのまま書いていたりするので混乱がさらに広がっているありさまだ。

そこでデータサイエンティスト・データアナリストの求人情報を読む際にどうしたらいいかについて考えてみたい。データサイエンティスト・データアナリストが就職や転職を考える際に注意することと合わせて読んでもらうと大外れを引く危険率は結構下がるだろう。

「データサイエンティスト」は大体「機械学習エンジニア」

「データサイエンティスト」は「デジタルに特化し、今までのデータアナリストよりも高度な分析をする」ぐらいでもともと明確な定義がないこともあるが、それ以上にメディアへの露出が多いことから知名度があるので「とりあえずデータ分析だからデータサイエンティストとつけておけばいいだろう」と付けたらしい求人がよくある。

データサイエンティストとは役割から見ると大きく分けて

  • アナリストとしてのデータサイエンティスト
  • 広義のアナリストとしてのデータサイエンティスト
  • 非分析者(というか機械学習エンジニア)としてのデータサイエンティスト

の3つに分けられるが、実態としては「機械学習エンジニア」の募集であることが大半なのでそのように読んだ方が良いだろう。アナリストについては需要そのものが少ない上に、募集される場合は「データアナリスト」になっていることの方が多い。

例外として、「データサイエンティスト」という名前だけれども「データ分析をする人」の意味で使っていて実質「データアナリスト」の場合もあるので注意が必要だ。この場合は「データアナリスト」として読み替える。

また少数ながらデータのインフラを作る「エンジニア」のことを「データサイエンティスト」と呼んでいたりすることもあるのでこちらも募集内容に「分析」とあるからとすぐに判断するのは危険だ。

「データアナリスト」は「アナリスト」が求められている場合は実は少ない

「アナリスト」とは「データ分析をする人」は「アナリスト」と「エンジニア」に分かれ、その違いは「他の誰かが意思決定するための情報(つまりインテリジェンス)」を作るかどうかにあるで書いたが、実はデータアナリストとして募集している企業の大半で求められているのは「アナリスト」ではない。では何か。

1つは、企画や施策の実行ができる人。つまりは「コンサルタント」や「マーケター」である。ならその名前で募集をすればよいと思うのだが、おそらくはデータを使うから、あるいはデータを使うことが期待されているから「データアナリスト」としていると思われる。

もう1つ、特にデータ分析をこれから始める、あるいは始めたばかりの企業だとデータの整備もされていなければルールも決まっておらず、それらの環境作りを合わせて求められる場合がある。その場合社内の色々な人と関わりながらデータ分析の「仕組み」を作っていくことになり、つまりそれは「アナリティクスディレクター」である。こちらは名前も出てこない(今まで名前がなかったから当然だが)どころかどこにも書いておらず、話を聞いたらそうだったということもある。

つまり、「データアナリスト」という名前だけで「アナリスト」を募集していると読んだらその時点で大きなギャップが発生していると思った方がいい。もちろん全くその要素がないわけでもないが、一般的には「アナリスト」の割合は低い。

実際のところは面談になって話をしてからわかってくることも多く、「アナリスト」と「コンサルタント」や「マーケター」の違いや、「アナリティクスディレクター」の役割について説明したり企業が何を求めているかを議論しながら、どの役割をどれぐらいの割合で行っていくのかを決めていくというのが良いだろう、というかギャップを減らすにはそれしかないのではないか。

また、こちらも少数だが、実は「データサイエンティスト」と呼んでも良いレベルの求人が「データアナリスト」の名前になっていたり、両方が混ざっていて判断が付かないケースもある。「データアナリスト」として動ければ十分でさらにできればよいなのか、「データサイエンティスト」のレベルが求められているのかは書いていないので確認しよう。

募集している企業側がよくわかっていない問題をどうしたらいいのか

データサイエンティスト・データアナリスト以外にも混乱している求人募集はたくさんあるので近いうちにまた続きを書くつもりでいるが、それだけでは根本的な解決はできない。

今回書いた問題の多くは、「募集している企業側がよくわかっていない」ことに起因していると考えられるので、企業側がどう求人情報を出すべきかについてガイドラインでも作ってみようか。