情報・データの分析解明には時間的制約(つまり納期)が非情なまでにつきまとう

相手がいるから時間的制約(つまり納期)がある

戦場での情報の分析解明は、研究室の学問的研究と異なって、いつまでに判断をして答えを出せという時間的制約が、非情なまでにつきまとう。

『大本営参謀の情報戦記』 P4

ビジネスでも同様だが、情報・データ分析にはいつまでに分析結果を出さなければならないという条件が付く。場合によっては交渉次第で遅らせたりできることもあるけれど、外部への発表が決まっていたり、来月のライバル店の大キャンペーンに対抗するために必要な情報ならその時は条件でなく大前提となってくる。

なぜ時間的制約が非常に強くなるかといえば、競合企業は待ってくれないし、上司やクライアントはその結果を元に次にどうするかを決めて実行しなければならないからだ。なので「なる早で」と要求された件は放っておいてもあとで問題になることはあまりない(ないとは言わない)。

もちろん学問的研究でも学会の発表が決まっていたりすればそこまでに何かしらの成果を上げたりしなければならないこともあるだろうが、戦場やビジネスのように分析が不完全であっても必要な時までに提出することを優先するべきなのとは根本的に違いがある。

納期の存在がもたらすもの

そして納期の存在は、分析することへのプレッシャーを引き起こす(参考:大学や独学でデータ分析の勉強をしただけだと実務で使えない理由の「時間のプレッシャー」)だけではない。

欲しいデータの収集が間に合わないかもしれない、データはあるが処理時間がかかりすぎて使えないから他のデータで埋めなければならない、そのデータは絶対使わなければならないからできる方法を考えなければならない、外に出すのでまとまった資料も仕上げなければならない、あるいは複数同時に走る案件の調整しなければならない、という実務上の様々な問題にも対処することが求められる。

遅れた完璧な情報・データよりも間に合う不完全な情報・データの方が有用だ

納期までに出せた結果が想定していた半分以下の出来であったとしても提出するべきだ。必要な時にまったくゼロよりはましである。

完璧主義者にはつらいところだが、いくら時間をかけたところで本当に完璧な情報・データにたどり着くことなどできないので、そこは割り切ってしまおう。もちろん、間に合わなかった原因を考えて次回に備えるために自分で自分の「データ分析」も怠らないようにしよう。

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