「アナリスト」には「特定の誰かの特定の意思決定に対する情報を作る人」と「不特定多数に対する汎用的な情報を作る人」がいる

2018年10月25日

「アナリスト」と一言にはいうけれどもひとくくりにしてはいけない

「データ分析をする人」は「アナリスト」と「エンジニア」に分かれ、その違いは「他の誰かが意思決定するための情報(つまりインテリジェンス)」を作るかどうかにあるが、世の中で「アナリスト」と呼ばれている人はさらに

  • 特定の誰かの特定の意思決定に対する情報を作る人
  • 不特定多数に対する汎用的な情報を作る人

の2つに分かれると考えられる。この2つはまとめて「アナリスト」と呼ばれているのだが、その違いははっきりしておく必要がある。そして後者は「アナリスト」とは呼ばれはするが、実際には「エンジニア」の面も多分にある。

「不特定多数に対する汎用的な情報を作る人」は「アナリスト」と呼ばれるが「インテリジェンス」は作っていない

まず先にインテリジェンスとインフォメーションとデータと情報の違いをはっきりしておこう。

天気予報を例にとると、それは各地点の天気、気温、降水確率といったインフォメーションないしはデータである。そして、特定の誰かが「週末出かけるにあたって傘を持っていくべきか」への回答ではない。例えば同じ天気予報であっても、最寄駅から出先まで地下通路で直結しているのであれば自宅近辺だけを考えればよいので家と駅が近ければ降水確率が高めでも不要かもしれない。つまりこの段階では天気予報は「インフォメーションないしはデータ」であり、天気予報や他の情報を組み合わせて意思決定のためのデータ分析を行っている(つまりインテリジェンスを作っている)のは天気予報をしている人とは別の人である。

ちなみに、東京の人が大阪に行くにあたって服装をどうするか考えるというのであれば、大まかにその地方の天気と気温の情報があれば十分なので天気予報を見れば意思決定に使えるのでこれはインテリジェンスである、とも考えられるが、これは結果的にそうなっているだけで意図的に作られたわけではない。

「不特定多数に対する汎用的な情報を作る人」は「分析」や「洞察」は行っているので「アナリスト」でもある

では「不特定多数に対する汎用的な情報を作る人」は「エンジニア」に含めるべきかというとそうではない。天気予報を作成するにあたり「分析」や「洞察」は行っているので「分析する人」という意味では「アナリスト」とも言えるので、「エンジニア」とは分けて考えた方が良い。しかし、「他の誰かが意思決定するための情報(つまりインテリジェンス)を作る」というわけではないのでやはり特定の誰かの特定の意思決定に対する情報を作る「アナリスト」とは区別すべきだ。

すると、「データ分析をする人」を考えると、以下のように分けられるだろう。

「不特定多数に対する汎用的な情報を作る人」については便宜的に「広義のアナリスト」と名前を付けた。また、「アナリスト」という言葉が相応しくないかもしれないが、他に良い言葉が見当たらないのでひとまずそのまま使うことにする。

「データ分析をする人」の考察は続く

これでひとまず「データ分析をする人」については全体像が描けたが、以下のような議論がまだ残っている。

  • 「特定の誰かの特定の意思決定に対する情報を作る人」と「不特定多数に対する汎用的な情報を作る人」の違いをはっきりさせなければいけない理由
  • データサイエンティストや機械学習エンジニアはどこに分類されるのか
  • 「不特定多数に対する汎用的な情報を作る人」のほうが圧倒的に多い理由を考える
  • 必要なのは「特定の誰かの特定の意思決定に対する情報を作る人」であり「不特定多数に対する汎用的な情報を作る人」だけでは意味がないということについて

「データや情報(例えばニュースやリサーチ)は膨大にあるがそれがほとんど生かされていない」という状況は大きな損失だ。それは「特定の誰かの特定の意思決定に対する情報を作る人」と「不特定多数に対する汎用的な情報を作る人」が区別されることなくあいまいになっていることも原因の1つだろう。明確に違いを示すことで「アナリスト」がどうあるべきかの議論の材料にもなるのではないだろうか。引き続き「データ分析をする人」についての考察を深めて行こう。