理想のデータ分析組織とはどんな組織だろうか

理想のデータ分析組織を考える

最悪のデータ分析組織については書いた。ではその対極である理想のデータ分析組織はどういったものだろうか。理想はあくまでも理想であり、実際にはたどり着いたことのない領域なのでいままでよかったことの寄せ集めになってしまうのは仕方ないが、以下のようなことが挙げられるだろう。

  • 理想的なデータ分析組織のマネージャーは経営者層の一員である
  • 理想的なデータ分析組織のマネージャーは実務経験者である
  • 理想的なデータ分析組織は経営層直轄で独立かつ経営企画と同格である
  • 理想的なデータ分析組織は社内の分析全てに強い権限を持つ
  • 理想的なデータ分析組織は幹部になるためには必ず経験しなければいけない部署となっている
  • 理想的なデータ分析組織は戦略や企画への提案をしないことが奨励される
  • 理想的なデータ分析組織は内製であることを基本とする

理想のデータ分析組織はこんな組織

理想的なデータ分析組織のマネージャーは経営者層の一員である

組織のマネージャーが経営層にいないということは、その企業においてデータ分析の扱いはその程度であるという明確なメッセージとなる。もしデータ分析組織のマネージャーに発言力があまりなければ何が起きるか。予算も付かないし人事への要求も通りづらいだろう。社長に近くなければ戦略レベルでのデータ分析の必要性を説くことすらできないかもしれない。また、いくらデータ分析で結果を出しても出世の道が見えないのであればメンバーにキャリアの選択肢を提示することもできない。

理想的なデータ分析組織のマネージャーはデータ分析の実務経験者である

データ分析を自分でやったことがなければ体系的に学んでもいないのであれば組織のマネージャーとして機能することは難しい。実務といっても最先端の論文を読むようなレベルまで必要とは思わないが、初歩的な統計学やデータの知識すらないのでは話にならない。

理想的なデータ分析組織は経営層直轄で独立かつ経営企画と同格である

たださでさえ企画に対して情報を提供できてもそれを使うことを強制できないのに、ましてや立場に違いがあれば企画はデータ分析を自分の都合のよい時だけ使ったり、望む結果を出すように圧力をかけることになる。したがって経営企画と同格であることが望ましい。また、営業などの一部署としておかれた場合も同様の理由で経営層直轄で独立である必要がある。これにより経営層以外からの不当な圧力に対して対抗できる。

理想的なデータ分析組織は社内の分析全てに強い権限を持つ

いくらデータ分析の専門家が集まっていても、営業やマーケターが独自に行った分析について何の口出しもできないと企業としての力にはなりづらい。社内で行われるあらゆる分析について検証するために、データの提出、再検証と提言、場合によっては介入する権限を持っていると社内で間違えた分析が広まることを防ぐことができ、さらに分析の教育についても参画することで全体の底上げも行うことができる。

理想的なデータ分析組織は幹部になるためには必ず経験しなければいけない部署となっている

データ分析の理解がない経営者・マネージャーというのはようするに人の話を聞かないで自分の思い込みや希望を最優先する人ということであり、非常に危険である。どれぐらい危険かと言えば大本営の作戦課がいい例であろう。しかしデータ分析の実務を経験していれば少なからずデータ分析の重要性にも気づき、いずれ経営層になった時にデータ分析を重視する人が増えるだろう。

理想的なデータ分析組織は戦略や企画への提案をしないことが奨励される

「これからどうするべきか」という具体的な提案を行ってしまうと当事者として利害関係が発生する。データ分析は本来他人の意思決定のために客観的な情報を提供するのが役目であるので情報は提供しても施策の提案はしない、という役割が明確にされれば分析に集中できる。

理想的なデータ分析組織は内製であることを基本とする

これはすでにデータ分析は内製化しなければならないにおいて詳細を論じている。内製だけでやる必要はないが、内製化することは前提であることが望ましい。

理想は追い求めなければ手に入らない

上記のような組織が存在するのかと言われたら「どこかにあるかもしれないが、自分は知らない」としか答えられない。これに近い、あるいは違うけれどももっとよい組織であるなど実例があれば是非とも教えていただきたい。

また、「理想の組織=最高のパフォーマンスが発揮できる組織」が与えられないなら自分で作るしかなく、理想を妄想で終わらせないためにも、無いからダメだではなく、無いから作ろうとすることが大切なのだと思う。