データ整備

[データ整備/抽出] 依頼されても断るべきこと

「依頼されたことをやる」だけ考えているだけではいけない

打ち合わせの進め方と取るべき合意では基本的な話を書いた。これだけでもそれなりにできれば仕事にはなるとは思う。

ただし「依頼されたら全てやらなければならない」は正しくない。そこで今回は依頼されても断るべきことについて書く。

依頼されても断るべき作業は2種類

依頼者が必要なデータを提供するのが抽出の役割である。抽出には依頼者が次の仕事をがやりやすいようにアウトプットを作ってあげることも含まれる。だからといって、あらゆる作業を受け入れてはいけない。

明確に断るべき作業は大きく分けて2種類ある。1つは「依頼の中に混ざっている依頼者が行うべき作業」。もう1つは「全部対応することでその他の依頼への影響が大きい依頼」である。

これらの仕事を無暗に受けてしまえば、膨大な時間を奪われる。依頼時ないし打ち合わせの途中で発覚したらその時点で必ず断ること。当人達で調整出来なければマネージャーにエスカレーションすること。

エスカレーションしても業務として行うことが指示されるかもしれない。その場合は抽出の役割ではなく別の役割が増えることと、奪われる時間だけ抽出や整備の仕事が出来なくなることははっきりさせておく。

依頼を断るのは印象が良くないのは確かだ。しかし断らなければ、抽出側になんの相談も無くデータに長けていない他人が作ったでたらめなやり方や仕組みのために発生する負担を肩代わりさせられるだけである。ジョブディスクリプションがないと言ったもの勝ちで言われた方が押し付けられやすいため積極的に断る姿勢が大事になる。できなければ便利屋扱いされるだけだ。

断るべき作業1・「依頼の中に混ざっている依頼者が行うべきこと」

依頼の中に本来であれば依頼者が行うべき内容が含まれているならば断わるべきだ。具体的には以下の3つがある

  • 目的が不明確な状態での依頼
  • レポート作成の一部の作業
  • 整備が感知していない場所で作られた無茶苦茶なデータの整形

目的が不明確な状態での依頼

依頼の内容があまりに曖昧で、詳しく聞いてみてもどうも的を得ない時はこの場合だろう。何をしたいのかわからないのではデータを抽出しようがない。一応の目的があってもそれが「売上を上げるために必要なデータは何か」と言われても答えるのは容易ではない。早い段階で「やりたいことがちゃんと決まったらまた依頼して欲しい」と差し戻す。

何がしたいか明確になっているなら「どうするか」の話になるので話もしやすい。しかしこの場合は当人が何をしたいのかが決まっていないので堂々巡りになる。何をすべきかまで一緒に考えるのであればその役割に責任があるポジションに代わるか兼任する方がいいだろう。

レポート作成の一部の作業

資料の形式がすでに決まっていて「集計したらこの欄を埋めて」とくることが多い。

アウトプットを作るのに単純な並び替えではすまない場合や、レポートが何十ページもあって各ページ張り付けなければならない場合は「データの抽出は行うがレポートの作成はしない」とはっきりさせる。

なぜならレポートを作るのは抽出の役割ではない。依頼者がレポートを作りやすいようにアウトプットを調整してあげることはあっても、作業を肩代わりしてはならない。「クライアントともう決めてしまったから」は理由にならない。しかも自分でやらないからと適当に作って無駄に複雑になっていることもある。そのまま受けていたら時間がいくらあっても足りない。

クエリの中で簡単にできること、例えば順番を並び替えたり縦持ちを横持ちに変換するぐらいで済むならついでに受けてあげてもいいだろう。当初のアウトプットの作りが悪ければ「順番をこうすると出しやすい」など提示する。

もし依頼者の向こうにレポートを求めている本来の依頼者がいるのであれば巻き込むと内容やアウトプットの形式の変更もすんなり通ることも少なくない。

抽出側が感知していない場所で作られた無茶苦茶なデータの整形

依頼に必要なデータを入手すると「そのままでは使えないばらばらパラメータが付いた大量のURL」「複雑怪奇なExcel」「何百にも分かれたファイル」と「一体何をしたらそんなことになるのか」と突っ込みたくなるデータであることは少なくない。

これもインプットとして使えるまでの加工に馬鹿にならない時間がかかることもある。データの作り方を先に検討しないことが原因ならその負担をそのまま引き受ける必要はない。ひな形を用意してそこに当てはまるような形で出しなおして欲しいと差し戻しす。

現実問題としては「今回は時間も無く仕方ないのでこちらで行うが次回以降はそちらでやってもらうこと」 になることは多い。データの扱い長けていない人に差し戻すととんでもない時間がかかる。全体として考えた場合は抽出側で引き受けた方がよい。

しかし仕組みを改善しなければ同じことを繰り返すだけなので「仕組みを改善するならお手伝いする」投げかけは一緒にする。それでもダメならどうしようもない。

断るべき作業2・「対応することでその他の依頼への影響が大きい依頼」

依頼する側は軽い気持ちで言っていても実際に行うには多大な時間とリソースを必要とする場合がある。そのような依頼を全部やったら他の依頼に支障がでる。

そこで「もし全部やったら〇〇かかる。その間は他のことができなくなる。だから全部できないので優先順位を付けてほしい」と返す。その上でどこまでならいつまでに出来るかを提示する。なお「全てやることは断るべき」であり「全てを断る」ではないことに注意。

大体以下のどれかに当てはまる。

  • すぐには必要ないがあったらうれしいからと内容が増えている
  • まったく違う内容の依頼を1つにまとめている
  • 繰り返される非現実的な納期設定の依頼

すぐには必要ないがあったらうれしいからと内容が増えている

「あったらうれしい」データを出してもすぐに使われることはあまりない。「今回は引っ込めてもらい必要になったらまた依頼して欲しい」と言うのがいい。

「あったらうれしい」ということは「なくても困らない」「そのうち使うかもしれない」「なんとなく知りたい」ということだ。必要なデータを依頼するついでに気軽に言っているだけなので、そのデータを出すために時間がかかることを説明すれば概ね理解してもらえる。

打ち合わせの際に一度の分析に使うにはデータの種類が多いなとか、あまり関連の無さそうな内容が混じっているなと思ったらくわしく聞いてみよう。

何も言わないと抽出しなければならない。使う予定のテーブルに入っている別のカラムを追加するだけとかならともかく、使われないことが判っているデータのために時間を割く余裕はないはずだ。

まったく違う内容の依頼を1つにまとめている

やることがまったく違う内容が1つの依頼としてまとめられているならそのまま受けずにばらして別の依頼として扱う。

内容が4つも5つもあるのに1つの依頼と同じ納期で出来ると思われても困る。それに、いくつも違う内容のやり取りが混在するのでわけたほうがいい。

急ぎの依頼が来たので内容を確認しいくつかにばらしてそれぞれ納期を決めたら早めに必要なのは実は1つであとの3つは来週以降でもかまわなかった、なんてことはよくある。

繰り返される非現実的な納期設定の依頼

「急ぎの依頼への対応」話は抽出依頼における打ち合わせのやり方でも書いた。

急ぎがあるのは当然としても限度はある。警告と改善の提案をしても頻繁に繰り返されるのであれば仕組みがおかしいか、頼めばやってもらえると思われているのである。

臨機応変に対応できるようになれると楽になる

全部頭から突っぱねればいいとは言わない。トラブル対応のため無茶を承知でそれでも依頼されることもある。その時はできる限り協力するようにしている。

それに自分に余裕があれば抽出の役割とは別に個人的に手伝うことは大いにありえる。しかし抽出の役割としては受けてはならない。この区別が出来ないのであれば最初から線引きをしておいた方がいい。

関連記事:打ち合わせについて

人気のある記事

HOME > データ整備 > [データ整備/抽出] 依頼されても断るべきこと